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プロフィール

三保真吾

Author:三保真吾
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熊本県出身。
マリスト学園卒業。
武蔵野美術大学卒業。
長男、B型。
現在一児の父。

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ことば

2008.08.14 higomokkosu GARDEN
ことばはすべて、ほんとうのこと
あたまの中に浮かぶ文字は、ぜんぶ真実なんだ

うそは真実の派生語
うその背景には真実が潜んでいる

真実はきわどい
真実を求めるような格好で、ぼくたちは真実から逃げている

事実はすべて真実
世界のどこにも虚偽は存在しない
偶然とか必然ではなく、本当のことだけが目の前に立ち上がって、在る

うそや偽りには目的がある
その目的はどうしようもなく真実を孕んでいる

ぼくたちがうそをつくとき、
そのうそに助けてほしい存在がある
それを悲鳴と呼ぶ

あたまの中のタイプライターに
ぼくたちは支配されている
そしてそのようにして研ぎすまされた世界が
ぼくたちを混乱させるんだ

しかし、
カタカタという文字列をはじく音が頭蓋骨の中で共鳴し
世界を共振している
それは恐ろしいことなのだが

ことばは電波のように時空を突き抜けて
世界をおおう

文字を持ってしまった民族の多くが滅びたように
ぼくらもことばによってのみ回帰するのだ

ことばはすべてほんとうのこと
やってきてやがて還る、やがて呪文になるんだ


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追いかけて

2008.08.08 higomokkosu GARDEN
いったい何を追いかけているのだろうかと考えながら
実は何かに追われていたり。
たいていそんなもんなんだけれども。


丸一日中、中空を見上げながら追いかけたものが、ふたつだけある。
オオムラサキとタマムシである。

オオムラサキ。
漆黒の羽に煌めく紫とハレーションを起こす黄色。
家のすぐ下のドングリの木で見かけて、追いかけ回した、
天然記念物の大きな蝶。

タマムシ。
メタリックな緑色の中にオレンジや赤の反射光。
世界で一番美しい生き物のひとつだと思う。
ヤツは隣のうちの裏庭の古木に不意に現れた。


そしてそのふたつの宝石を、僕は捕まえたんだ。


輝いているものはその肉体に補色を抱いていた。
紫と黄色、緑と赤。
そのこととかれらのまばゆさは無関係ではないと思う。
僕はそのことを知っているのに。


つい先日、20年ぶりくらいに、タマムシを手にした。
自転車で公園に向かう途中、かみさんの頭にぶつかったあいつ。
拾おうとすると飛び立ち。
しばらくして近くを歩いていると、桜の木に卵を産んでいる。
捕まえようとすると、もう一匹!夫か・・・!?
飛んで逃げる夫、その後ろ姿、さっきのヤツに違いない。

夫に逃げらて僕の手にとらえられた妻、悲哀に満ちた表情。
首を延ばしたり引っ込めたりしながら、僕の指を挟もうとする。
甘い、僕は君の唯一の攻撃パターンを熟知している。

家族三人、美しすぎる悲しみのタマムシ(妻)を手に
しばし興奮の渦に。
そして恍惚とした表情の僕の指先から飛び立つ緑の光。


ぼくは追いかけている。
それが3つ目だ。
無心に、空に飛ぶただ一点の光。

僕の肉体は、精神は補色を帯びているか。
反するのではなく、溶けるようにしてその色は混在するか。
それが問題なのだけれども。


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2008.07.03 higomokkosu GARDEN
ぼくは種だ
ただひとつぶの種だ

思いのまま手足を動かし
好きな明日を選び
都合のいい思想を握り
不自由にもなれず
日々を食いつぶす

小さな塊としての種だ

ある土壌にたどり着くと
やがて雨が降り
太陽の光と熱を授かる

腐りゆく母
中空に飛散した父

その結末としての、種だ

種だ種だ種だ種だ種だ種だ、種だ

貴様は種だ

やがて芽吹き
空に召されるようにして
姿を失うのだ

ザマを見ろ
振りほどかれた外殻の
不様な肉体を見よ

ひどくみずみずしい
無垢な緑の双葉を見上げよ

自由だった手足も明日も思想も不自由も日々も
見事に土に化している


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ポリシー・その1

2008.06.30 higomokkosu GARDEN
真面目な顔で悪ふざけ

礼儀正しく反則技

他の畑への直感的な逸脱、回帰

喋るならどうしても酒がいる

勃発的鋭角短直線、多数

こじんまりと濃く

飄々と地味に一本裏道を歩く

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フローズン

2008.06.25 higomokkosu GARDEN
弟二人が川岸の向こうから投げた小石が
白い花びらで跳ねて僕のこめかみを直撃

泣かされてしまった兄としての僕の泣き声が今も
白ちゃけた記憶として浮遊している

未だ溶けることのない


50時間かけて生まれ落ちた我が子の
その瞬間をはっきりと思い出せない

立ち上るお灸の煙のゆるぎない軌跡と睡魔が、
溶け、ない


思わず口を突いてでたタブゥ
快速電車の車窓は信じられないくらい透き通って
しかし僕のマヌケな顔と眼の色を
生々しく描いている

車内に満ちたフローズン
フローズン、フローズン

川に飛び込む


口の中がやたら酸っぱい
無理に溶け出した集塵

溶けるようにして東へ流れる移動、空間

飛び込んだ水中は
やっぱり異次元光彩無音空間だ


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